動かざるは痛む

最近、緊急事態宣言下で外出が少なくなった、テレワーク推奨の流れで在宅での作業が増えたという方が増えているようです。
元々運動不足の傾向にあった方は特にそうですが、通勤時の歩行という貴重な運動の機会もなくなり運動不足に拍車がかかる状況になっています。
テレワークを始めてから腰や肩が辛くなったといったお悩みが当院でも最近多く寄せられます。これには歩行などの運動が減ったことや、仕事場とは異なる椅子・机の高さ、長時間の同じ姿勢などの原因があると考えられます。
生理学・解剖学の観点でも人体は動かすことで健康が保たれるとされています。血流やリンパ還流は心臓の動きだけで流れるのではなく筋肉の収縮により正常な循環が行われるとされています。人の体は筋肉の収縮により血管やリンパ管に圧がかかり流れの後押しをするようになっているため、筋肉の収縮=運動をすることにより健康な体が維持できるようになっています。血流の悪い箇所があるとコリや痛みが生じやすく、さらには傷や炎症のある個所の修復が遅くなり痛みも慢性化しやすいと考えられています。

東洋医学の考えには「不通則痛」(通らざるはすなわち痛む)という言葉があります。これは体を流れるとされる気(体のエネルギー源など様々な働きをするもの)や血(体の各所を栄養する物質)の流れが通じずに滞ると痛みを生じるという考えものです。つまり、体の中の流れがスムーズであることが痛みや不快感のない生活に欠かせない条件になるわけです。では、体の中の流れをスムーズにするためにはどのような方法があるのかというと、一番簡単な方法は運動することです。体を動かすことで全身の気や血の流れに勢いがつき滞りが生じにくくなります。また、にじむ程度でいいのですが汗をかくと熱が生じ、汗とともに余分な水分を外に出すことが出来ます。汗をかくほどの熱が生まれることにより体の中の流れはより活性化します。汗をかき余分な水分を出すことで、これからの時期の高い湿度や気圧差が原因で起こる痛みや不様々な不調などにも予防・改善の効果が期待できます。

このように、西洋医学・東洋医学の双方の観点から動かないことが痛み・不快感につながるということが分かって頂けたと思います。
ご自身でできる対処法としては適度なウォーキング等の運動・ストレッチなどがあげられますが、症状の程度によっては効果が出にくいことがあります。
そんな時にハリ・灸・マッサージの治療は最適です。東洋医学の観点では気や血の流れをよくする働きをし、西洋医学的には筋肉の緊張をほぐし血流を改善するのにとても効果的です。ご自身でのケアはとても大事ですが、もしそれでも痛みや不快感が続く場合はお気軽にご相談ください。
また、腰痛や肩こり以外にもさまざまな症状(眼精疲労・頭痛・めまい・食欲不振・ストレス・しびれ・不定愁訴など)があるときはお気軽にご相談ください。

小金井グリーン鍼灸治療院