東洋医学について⑤(病気の原因)
東洋医学(中国伝統医学)においての病気になる原因は大きく①外的な要因②内的な要因③体内の巡行を阻害する物質の生成、の三つに分かれます。
①外的な要因
外邪ともいわれ、寒さ・熱さ乾燥、湿度などが体に影響を及ぼすという考え方です。健康な状態では影響を受けずに過ごせることもありますが、体の不調などがある場合は特に外的な影響を受けやすく、気温や湿度の影響を受け東洋医学的な病気になるというメカニズムです。雨の日に頭痛がする・体がだるい、風の強い日に瞼の痙攣が起こりやすい・あちこち痛むなどは外的な要因で起こることも多いので注意が必要です。
②内的な要因
食事や休息、精神状態のバランスが崩れると病気になりやすいという考え方です。正しいバランスと適量の食事、適度な運動と休息、ストレスの少ない生活などが出来ないと病気になるという現代では当たり前の考え方です。しかし、西洋医学でストレスや生活習慣と病気の相関性が分かり世間に浸透するよりずっと以前から東洋医学ではこのような考えがありました。特にストレスと身体の健康については古くから治療法があるので、ストレスに対して東洋医学的な治療はとても有効だと考えます。
③体内の巡行を阻害する物質の生成
体内で生成される気血水の巡りを阻害する病理産物をさします。お酒の飲みすぎで浮腫みがひどい・体が重いなどは、過度な水分の停滞により体内で生成された「痰湿(たんしつ)」のせいと考えられます。「痰湿」は他にも頭痛や関節痛などを引き起こす原因になります。お酒の飲みすぎ以外にも臓腑の働きが悪いと生成されてしまうものです。ほかには「瘀血(おけつ)」というものも病理産物では有名です。血の巡りの悪いところに現れ、不快感の強い痛みや月経痛などを引き起こします。これは冷えやストレスなどとも関係が深く、特に婦人科で悩まれている女性の症状に関係が深いと考えられています。
このように、東洋医学的な病気の原因は様々ありますが、現代の医学では対処できないものでもこの考え方なら関連付け治療につなげられることも多いです。特に気候の変動による不調などに対して西洋医学では打つ手は限られるので、鍼灸やマッサージなどで予防と改善を心掛けてみてください。その他の症状やなんとなくの不調もお気軽にご相談ください。
小金井グリーン鍼灸治療院