東洋医学における病気は、西洋医学で考える病気と異なることは前回のコラム東洋医学について①(西洋医学との違い) でお話しました。
西洋医学における病気とは検査データの数値異常や画像の異常などがある場合を病気としています。東洋医学では目に見えるものや自覚のある症状だけでなく自覚していない異常も発見し治療する医学です。
東洋医学では問診などの聴取はもちろん、患者様の顔色、声色、舌の状態、脈の状態など様々なことから患者様の健康状態を把握します。これにより自覚するまえの症状や不調を発見し治療することが出来ます。
これらの東洋医学的な診断法では患者様の体に流れる『気』『血』『水』が不足や滞りなく流れている状態を健康としています。流れの異常をなるべく早く察知して治療に繋げることにより不調のない健康な身体が維持されます。
『気』(き)とは体を巡るエネルギーで、成長・体温の維持・体の安定・免疫などの働きに関与します。『気』が少なくなると文字通り気力がなくなり、声は小さくなり倦怠感などが出やすくなります。また、体温の維持にも関係するので冷えやなどが現れます。また、『気』の流れが滞るとイライラしやすくなったり、お腹の張り感などが出ます。
『血』(けつ)は西洋医学でいうところの血液に近いですが、『血』は血液中のホルモンや栄養素・水分といった諸々も含めたもの総称となります。『血』には体を潤す・栄養するという働きがあります。特に脳や精神面への関与が強くこれらの安定に不可欠とされています。『血』が不足すると目のかすみや眼精疲労、髪のパサつきや、頭が重く働かないなどの症状が現れます。また、女性においては月経の異常などに繋がり、婦人科系の症状とは切っても切れない関係となっています。『血』の滞りは「瘀血」とよばれ、「瘀血」のある個所は肌がザラ付き変色し、押すと痛みが強いなどの特徴があります。
『水』(すい)は津液(しんえき)ともよばれ、体を潤すのと「血」の成分となる働きをします。『水』の不足は乾燥として現れます。体の様々な部分の乾燥の原因となり、肌はもちろん呼吸器系の潤いが足りないと咳などが起こります。また、消化器系の潤いが足りないと食べ物が飲み込みづらかったり、便秘が起こりやすくなります。また、『水』の滞りは浮腫みとして現れます。消化器系に影響すると食欲不振や下痢などを引き起こします。
このほかにも一般的な不調である頭痛・肩こり・腰痛・膝痛・風邪症状・耳鳴・難聴なども『気』『血』『水』の流れの異常で引き起ります。
このように東洋医学では『気』『血』『水』というものを対象に、西洋医学とはまた違った考えで診断と治療を行います。そのため、検査データの数値異常や画像の異常などがなくても病気を見つけ出し治療に繋げることができます。病院で相談しても解決しない悩みや不定愁訴などは東洋医学的な視点でみることをおススメします。原因不明の症状で治療法がわからないものでも、東洋医学的な視点で診断すれば治療に繋げられ回復するということは珍しくありません。気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。当院では、不調を抱える方が少しでも楽になれるよう応援いたします。
日本において一般的にイメージする東洋医学は、中国から伝来した伝統中国医学をの考え方でツボや経絡・漢方薬・気功などをイメージすることが多いと思います。
しかし意外と東洋医学という言葉の意味は広くインドのアーユルヴェーダやチベット医学など、アジア周辺における医学は全て東洋医学という言葉の範疇に入ります。
当院では、東洋医学とは伝統中国医学のことを指してお話いたします。
私たち鍼灸マッサージ師は東洋医学を用いて患者様を治療する、日本の医療従事者においては数少ない存在です。東洋医学と西洋医学の違いは「人」をみる東洋医学と「病気」をみる西洋医学と言われています。
西洋医学では特効薬のように効果の高い薬や治療法が確立されているという利点があります。しかし、その分効果の範囲から外れた患者様の治療に手が回らないという弱点もあります。
例えば、タミフルやリレンザのようなインフルエンザに対する治療薬はインフルエンザという「病気」には効果的です。しかし、肩こりなど病気といえるか微妙なものや、検査データの数値に異常がない不調などには処置がしづらいというが現状です。
その点、東洋医学では患者様に合わせた治療のパターンをいくつも組み合わせることができるので、体のあちこちに出る異常や痛みなど複雑なものから軽い不調や違和感レベルの小さいものに対しても幅広く治療が行えます。まさに「人」をみて「人」に合わせた治療を行います。
また、このように数値に異常が出ない不調でも東洋医学では病気と定義しているので症状に合わせた治療法が数多く確立されています。
西洋医学と東洋医学どちらが優れているいうことではありません。適材適所でそれぞれの利点を生かすのが最も効果的な治療につながると当院では考えております。
もし何か気になることやご質問がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
「漢方薬と鍼灸治療は、同じ東洋医学なので考えも似ているのですか?」という質問をされることがあります。
これはどちらも中国伝統医学(東洋医学)をベースに病気の診断や治療方針を考えるという点で同じであると言えます。
違いとしては、服薬で治療するかツボ(治療穴)を用いて治療するのかという点です。ツボは臓腑(内臓)と繋がっており、ツボを刺激することで関連する臓腑に効果をもたらすことができます。
つまり、服薬で体の内側から臓腑に作用させるかツボを用いて外側から作用させるかの違いと言えます。
例えば生理不順や足腰の冷えなど婦人科系の症状によく処方される、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)という漢方薬は効能として気や血(中医学でのエナルギーと栄養)を充実させ体の末端まで巡らせる効果があります。
同じ症状に対し鍼灸で治療をする場合も同じように、消化器系と関連のあるツボを刺激して食べ物から栄養を効率よく摂取できるようにし、さらに気血の運搬機能を高めることで体の末端まで気血を巡らせます。
このように治療法こそ違いはありますが、病気に対しての考え方や治療の方針は気血の巡りを改善するという点では同じです。
漢方薬にも様々なものがあり、鍼灸治療で用いるツボも組み合わせ方などにいくつものパターンがあるため、一概にどちらが優れているということは言えません。
症状に応じておススメ出来ることはありますが、当院では、漢方薬と鍼灸治療の併用が一番のおススメと考えております。
気になる症状についてご相談がある場合はお気軽にお問い合わせください。
小金井グリーン鍼灸治療院
東洋医学(中国伝統医学)の考え方に陰陽論というものがあります。
陰陽論とは世の中すべてのものは陰と陽の属性に分けられるというものです。
例えば太陽は陽、月は陰。夏は陽、冬は陰。上は陽、下は陰。男は陽、女は陰。背中は陽、お腹は陰などです。
陰と陽は相互に支えあい依存しているという関係性で、どちらかの力が強すぎても弱すぎてもダメだといわれています。
人の体の中においても陰陽の関係性が成り立ちます。人の体の場合、陰陽のバランスが崩れると不調になり病気につながります。
身体を動かすには陽のパワーが必要であり、休む時には陰のパワーが必要になります。これは現代医学でいう自律神経の関係性によく似ています。体を動かすときに働く交感神経と、睡眠や休息時に働く副交感神経はお互いにバランスを取り合っています。
このバランスが崩れた状態が自律神経失調症などと言われ、様々な不調(不定愁訴)につながります。現代医学において自律神経の失調に対して行える治療法は多くありませんが、鍼灸マッサージなどの東洋医学(中国伝統医学)では古くから陰陽のバランスを整える治療法が確立されています。そのため、鍼灸マッサージを行う治療院には多くの不定愁訴でお悩みの患者様が訪れ治療を受けています。
だるい、不眠、疲れがとれない、頭痛、動機や息切れ、めまい、のぼせ、立ちくらみ、下痢や便秘、冷え、情緒不安定、イライラや不安感、うつ症状などに対して鍼灸マッサージが対応できるのは陰陽論を用いた東洋医学的なアプローチが出来るからです。
気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。東洋医学の専門家が懇切丁寧にご対応いたします。
小金井グリーン鍼灸治療院
当院では、吸角療法を取り入れております。
吸角療法とは、吸い玉やカッピングなどとも呼ばれ西洋東洋問わず世界中で行われている治療法の一つです。
専用のガラス等のカップ状の器具を用いて持続的な吸引刺激を加え、筋肉を緩め血流の改善を行う手技です。また、最近話題になっている筋膜にもアプローチするため筋・筋膜両方の機能改善に効果的と言われています。
この吸角療法ですが、治療後に丸い内出血のような痕が出来ることがあります。
これは、血の巡りの悪いところの反応によるものですが患者様によっては温泉やスポーツジムに行くのに痕が気になるという方がいらっしゃいます。
そんな時におすすめなのが、『火龍筒連続吸角療法』です。日本における中国伝統医学分野で著名な高野耕造先生考案の治療法で、従来の吸角療法より臨床効果や汎用性を追求した治療法です。
『火龍筒連続吸角療法』は持続的な吸引刺激ではなく、つけては離してを繰り返し行うため治療後の痕がつきにくいです。また、従来の吸角療法にはない刺激法などもあり進化した吸角療法となっております。
当院副院長は高野先生に師事し『火龍筒連続吸角療法』の手技を修め、多くの方にこの治療法を知ってもらえるよう活動中です。また刺激の強弱の幅もコントロールしやすいので、吸角療法に興味はあるけど少し怖いなどの方にもお勧めできる治療法です。
血行改善、神経の働きを整える、皮膚のターンオーバーを促進、デトックス効果、内蔵機能の向上など様々な効果があげられ、最近注目の治療法となっております。また、鍼やマッサージと併用することでさらに効果を発揮します。
興味のある方はお気軽にご相談ください。
書籍リンク『火龍筒連続吸療法』
小金井グリーン鍼灸治療院
久ぶりにトレーナー活動報告をアップいたします。
昨日(12/12)、高校サッカー新人選手権大会第8地区第3回戦において、当院副院長がトレーナーとしてサポートしている都立小金井北高校と全国大会にも出場経験のある都立の名門、東久留米総合高校との試合が行われました。
試合では怪我人もなく無事に終わることが出来ましたが、試合後の疲労は今までの試合より強かったようでストレッチの依頼が普段より多かったです。
結果は残念な形に終わりましたが、強豪校との試合で選手たちもいい経験が出来たと思うので次に繋げてほしいと思います。
来年の春まで公式戦は一度お休みになりますが、次の大会を無事に迎えられるよう当院でもサポートしていきたいと思います。
小金井グリーン鍼灸治療院
最近、緊急事態宣言下で外出が少なくなった、テレワーク推奨の流れで在宅での作業が増えたという方が増えているようです。
元々運動不足の傾向にあった方は特にそうですが、通勤時の歩行という貴重な運動の機会もなくなり運動不足に拍車がかかる状況になっています。
テレワークを始めてから腰や肩が辛くなったといったお悩みが当院でも最近多く寄せられます。これには歩行などの運動が減ったことや、仕事場とは異なる椅子・机の高さ、長時間の同じ姿勢などの原因があると考えられます。
生理学・解剖学の観点でも人体は動かすことで健康が保たれるとされています。血流やリンパ還流は心臓の動きだけで流れるのではなく筋肉の収縮により正常な循環が行われるとされています。人の体は筋肉の収縮により血管やリンパ管に圧がかかり流れの後押しをするようになっているため、筋肉の収縮=運動をすることにより健康な体が維持できるようになっています。血流の悪い箇所があるとコリや痛みが生じやすく、さらには傷や炎症のある個所の修復が遅くなり痛みも慢性化しやすいと考えられています。
東洋医学の考えには「不通則痛」(通らざるはすなわち痛む)という言葉があります。これは体を流れるとされる気(体のエネルギー源など様々な働きをするもの)や血(体の各所を栄養する物質)の流れが通じずに滞ると痛みを生じるという考えものです。つまり、体の中の流れがスムーズであることが痛みや不快感のない生活に欠かせない条件になるわけです。では、体の中の流れをスムーズにするためにはどのような方法があるのかというと、一番簡単な方法は運動することです。体を動かすことで全身の気や血の流れに勢いがつき滞りが生じにくくなります。また、にじむ程度でいいのですが汗をかくと熱が生じ、汗とともに余分な水分を外に出すことが出来ます。汗をかくほどの熱が生まれることにより体の中の流れはより活性化します。汗をかき余分な水分を出すことで、これからの時期の高い湿度や気圧差が原因で起こる痛みや不様々な不調などにも予防・改善の効果が期待できます。
このように、西洋医学・東洋医学の双方の観点から動かないことが痛み・不快感につながるということが分かって頂けたと思います。
ご自身でできる対処法としては適度なウォーキング等の運動・ストレッチなどがあげられますが、症状の程度によっては効果が出にくいことがあります。
そんな時にハリ・灸・マッサージの治療は最適です。東洋医学の観点では気や血の流れをよくする働きをし、西洋医学的には筋肉の緊張をほぐし血流を改善するのにとても効果的です。ご自身でのケアはとても大事ですが、もしそれでも痛みや不快感が続く場合はお気軽にご相談ください。
また、腰痛や肩こり以外にもさまざまな症状(眼精疲労・頭痛・めまい・食欲不振・ストレス・しびれ・不定愁訴など)があるときはお気軽にご相談ください。
小金井グリーン鍼灸治療院
患者様各位 平素より小金井グリーン鍼灸治療院をご愛顧賜り、厚く御礼申し上げます。
ご予約に際してのお願いです。
当院では、予約制での施術を行っております。ご予約を下さる皆さまの為にしっかりと枠を設けてお待ちしております。
遅刻・度重なる変更やキャンセル・予約直前のキャンセルは、患者様ご自身の適切な治療計画の妨げと他の患者様の予約を妨げる行為になりますので、おやめください。より多くの方に最適な治療を提供させていただけるようご協力のほどよろしくお願いいたします。
また、下記の予約に際しての注意事項へのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
①遅刻の場合は治療時間が短くなります。
②遅刻を理由としたコースのご変更はお断りさせていただきます。
③予約のキャンセルや変更については、なるべく2日以上前に余裕をもってご連絡ください。
④悪質な場合やあまりにも度重なる場合はキャンセル料(料金の100%)をいただくことや、予約をお断りすることがございます。
※やむなき理由と当院で判断できる場合は該当致しませんので個別にご相談下さい
患者様により良い環境で施術を受けていただくためにも、ご協力をよろしくお願いいたします。
これらに関してご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。
小金井グリーン鍼灸治療院
間もなく6月に入りますね。6月になると梅雨に入り湿度の高い日が多くなります。
梅雨時期になると患者様の中でも症状が悪化する方や不調を訴える悪化する方が増えます。これは、気圧の変化や気候の変化などが関係していると考えられます。
東洋医学においても湿気・湿度が関係し、心身に悪影響を及ぼすと考えられています。東洋医学では、『気』『血』『津液(水)』というものが体を滞りなく巡ることで健康が維持されると考えます。『気』はエネルギー源でありパワーの源、『血』は体の各所を栄養し、『津液(水)』は体の潤いに関与しています。
湿度の高いところでは、体を巡る『気』『血』『津液(水)』の流れが悪くなります。特に『津液(水)』の流れに大きく影響し、滞りが生じます。『津液(水)』の滞りは、浮腫み・だるさ・頭痛・耳鳴り・関節痛・食欲不振など様々なところに影響が現れます。さらに、元々これらの症状が現れやすい方は特に梅雨時期に悪化しやすいので注意が必要です。
簡単に考えると周囲の湿度が高いため水分が体に停滞しやすくなるというものなので、健康な体であれば汗などで余分な水分を外に出すことが出来れば、梅雨時期の不快な症状は改善することが出来ます。しかし、元々水分を体にため込みやすく『津液(水)』の停滞を起こしやすい方は梅雨時期に備えて予防的な治療をお勧めします。
鍼灸マッサージ治療では数値や目に見える形の異常がなくても予防的な治療を行うことが出来るという利点があります。梅雨時期の体調不良に備えて早めのケアを行ってください。
他にも気になる症状や、ご質問などがある場合はお気軽に当院までご相談ください。
当院では皆さんが健康的な毎日を過ごせるよう、尽力したいと願っております。
小金井グリーン鍼灸治療院
前回、自律神経についてのコラムを書きましたが、今回は自律神経と季節の関わりのお話です。
自律神経というのは、安定を好むので生活のリズムや環境の変化が少ない方が正常な働きします。
そのため春は、自律神経の乱れが起こり心身の不調が起こりやすいといわれています。
春は気温や気圧の上下、仕事の部署替え、引っ越し、入学など様々な身の周りの変化が起こる時期です。そんな変化の多い季節なので、自律神経も周りの環境に合わせて心身のバランスをとるよう頑張ります。しかし、体力や気力の落ちているタイミングでは変化についていくことが出来ず、自律神経が乱れ心身のギブアップのサインとして様々な不調が現れます。
そんな時は適度な運動・バランスのいい食事・深い睡眠・規則正しい生活リズムというのが大事になります。しかし、厄介な点があり春の不調はこれらの対応策が頭でわかっていてもなかなか体が動いてくれないところにあります。これもまた、自律神経の不調の難しいところで心と体の両方に症状が現れやすい特徴があり、やる気が起きないので行動できないという悪循環に陥りやすいです。
そんな時にその悪循環を断ち切るきっかけを作ることが出来るのが鍼灸マッサージです。鍼灸マッサージは体表からの刺激が自律神経に作用し、心身共に治療できる数少ない治療法です。
当院では東洋医学的な考え方の治療も行っています。東洋医学の考え方では、病気(病名)でみるのではなく患者様一人一人の心身の状態を把握してその方に合わせたオーダーメイドの治療ができます。そのため、西洋医学の観点から診て異常がなく治療法の少ない不定愁訴などに対しても効果的な治療ができます。
気になる不調や症状がある方はお気軽にご相談ください。
小金井グリーン鍼灸治療院